ヒトiPS細胞育毛：真実か？ 新たな育毛成分の発見

株式会社ミルボンと大阪公立大学の共同研究チームは、ヒトのiPS細胞を利用した新しい育毛研究アプローチで、毛髪伸長を促進する成分を見つけました。

この発見は、ヒトの毛包組織で毛髪の伸長を促進することが確認されたことから、育毛研究の新たな可能性を開くものとなります。

毛髪の形成には、毛包幹細胞から毛母細胞への分化が必要です。

新たな育毛成分がこの分化を促進すると期待されており、それにより新たな育毛メカニズムが開発可能となるでしょう。

しかし、毛包幹細胞は取り扱いが難しく、これまでの育毛研究ではその使用が困難でした。

このため、共同研究チームは、再生医療の分野で注目されているヒトiPS細胞を使用し、毛髪形成に関連する遺伝子の発現を指標にした新たな育毛成分の探索を行いました。

ヒトiPS細胞に複数の植物エキスを添加することで、毛髪形成関連遺伝子（KRT31）の発現を増加させる2種類の植物エキス（トウキ根エキスとモウソウチクたけのこ皮エキス）を特定したのです。

分け目が目立たない効果や生え際の増毛効果を確認

これらのエキスは、手術後の余剰頭皮から単離し培養した毛根組織で毛髪伸長効果を示すことが確認されました。

この結果は、ヒトiPS細胞を用いた育毛成分選定手法の有効性を示しています。

また、これらのエキスを含む頭皮用美容液を毎日使用した結果、細毛の改善、抜け毛の減少、分け目の目立たない効果、生え際の産毛増加などの効果が見られました。

この発見は今後の育毛界に新たな可能性を秘めています。

参考：https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-07447.html

https://www.milbon.com/ja/docs/8ae489f5a753470c26a4ad3167ce9214f8e4e83b.pdf