主な性感染症
「性感染症」とは「性行為により感染する病気」でウィルス、細菌、原虫などを媒介として性器、肛門、口などとの接触により感染してしまいます。そして厄介な事に自覚症状が無かったり、気にならない位に軽かったりする事もあります。
しかしながら自覚症状がなくてもパートナーに感染もしますし気づかない内に重度化する事もあります。
性病の多くの場合はコンドームにより防ぐことが出来ますが、オーラルセックスや共有したタオルの利用での感染などもありますので、パートナーへ移さない配慮なども含め正しい性病への知識が必要ですね。
病院で性病検査をすると1万円前後の費用がかかるようですが、保健所ならば無料で検診を受けられ場合もあります。
検査費用も高く、結果がでるまで時間がかかる場合もあり、直接、お薬を処方してもらいたい場合もありますが、病院でもまず検査をして処方箋という流れとなります。
保健所ならば匿名で受信もできますので保健所で予約をして検査をするのも良いでしょうが、こちらもお時間がかかってしまうようです。
主な性感染症
・淋病(咽頭の感染も含む) |
・クラミジア(咽頭の感染も含む) |
・梅毒(第1期・第2期) |
・性器ヘルペス |
・ヒト・パピローマ・ウイルス |
・尖圭コンジローム |
・トリコモナス | ・カンジダ | ・毛じらみ |
・雑菌性尿道炎 | ・AIDS | ・B型肝炎 |
淋病(
咽頭
の感染も含む)
性行為により淋菌が感染する一般的な病気の一つです。
・男性は排尿の際に痛みが走り、乳白色又は濃い黄色の膿が出る事があります。
感染してから症状が出るまで:2~7日程度 治療期間:最低1週間
・製品名(AZEE1000:成分(アジシロマイシン))
クラミジア(
咽頭
の感染も含む)
▶クラミジア
特徴:クラミジアは国内で最も多い感染症(STD)の一つで、感染しやすい性感染症の一つです。
クラミジアは感染したことが気づきにくいのも特徴です。
感染すると、
・男性は尿道に痛みや「むずがゆさ」を感じるようになります。
・女性は症状が軽いため、感染に気づかないケースが多いようです。そのため、早期に発見することが重要になります。
治療を放置すると、男性不妊に繋がる事もあります。
女性の場合は7,8割の高い確率で感染に気づかなく、放置により子宮頸管炎・子宮内膜症・卵管炎・骨盤腹膜炎といった病気を発症する事もあります。
また、不妊や、妊娠中の方の感染は、早産・流産・子宮外妊娠などといった事が起こる可能性もあります。
クラミジアは性器クラミジアと咽頭クラミジアの発生する場所の2系統に分かれます。
感染してから症状が出るまで:1~4週間程度 治療期間:最低2週間
治療薬例:
・製品名(AZEE1000:成分(アジシロマイシン))
アジーは服用から7~10日間で効果が持続します。除菌率は60%~90%と言われています。
服用後3週間後に再検査により継続服用が必要か判断します。
梅毒(第1期・第2期)
▶
特徴:皮ふや粘膜の小さな傷から、トレポネーマという病原菌が侵入することで発症する性感染症です。
・第1期は感染部位に痛みをともなわない硬いしこりができ
・第2期になると発熱、全身の倦怠感など全身症状と共に全身(特に手足)に小さな斑点が多数出てきます。
男女とも症状が出ないタイプがあり、この場合は専用の血液検査で判明することが多いようです。
治療薬「ペニシリン」が発見されるまでは、不治の病として恐れられていた病気であるように放置すると命に関わります。
現在はお薬で完治します。
感染してから症状が出るまで:3週間程度 治療期間:2~3ヶ月程度
性器ヘルペス
▶性器ヘルペス
特徴:ヘルペスの病変部と接触することにより発症する性感染症です。
男女とも性器に小さな水泡が多数でき、痛みとかゆみが続きます。放置しても2~4週間程度で自然に治る。
ヘルペスに一度感染してしまうと、その後はウイルスを死滅させることができません。ただし、再発を抑える治療を行うことは可能となっています
性器ヘルペスが発症している状態を放置して場合、基本的には自然治癒する事もあります。しかしながら、悪化すると強い頭痛、痛みや排尿困難、便秘などの末梢神経麻痺という症状が発症する事もあります。ヘルペスに一度感染しますと、完全にウィルスを死滅される事が出来ないとされており、再発しやすい病気でもあります。
ヘルペスにかかりやすい人は治療薬を常備しておくことをお勧めします。
ヘルペスは「性器ヘルペス」と「口唇ヘルペス」と発生する場所が異なります。
治療薬例:
・製品名(Valtrex1000mg:成分(バラシクロビル))
1回500mgを2回/日で7日間継続扶養をします。
・製品名(Valtrex500mg:成分(バラシクロビル))
・製品名( acivir5%:成分(アシクロビル))
ヒト・パピローマ・ウイルス
▶ヒト・パピローマ・ウィルス
特徴:女性のほとんどが一生に一度は感染するといわれているウイルスです。性交渉によって感染しますが、ほとんどの場合は免疫力によってすぐに消滅します。
しかし、まれに消滅せずに残ってしまうケースがあり、そのまま放置すると良性の場合「
感染してから症状が出るまで:数ヶ月~数年程度 治療期間:薬剤開発中
尖圭コンジローム
▶
特徴:尖圭コンジロームは、細菌が皮膚や粘膜表面に感染してイボのようなものができる病気です。
主に腟性交により感染し、女性の約80%が一生のうちに一度は感染するといわれている細菌です。
・女性の場合、多くは膣の入口や肛門付近にできますが、膣や肛門の内部にも症状が現れることがあります。基本的には痛み、かゆみなどはありませんが、放置するとイボの数が増えたり、大きくなることがあります。
・男性の場合、イボができる場所ですが、主に亀頭の先端部分や冠状溝(カリ)といわれる辺りがおおく、次に包皮の内側や外側、陰嚢、陰嚢と肛門の間、尿道口、肛門のまわりや肛門内になります。
感染してから症状が出るまで:潜伏期は数週間~3か月(特徴的なイボで確認されます)
外陰部に小さな尖ったイボができる病気です。イボができないこともあり、痛みやかゆみなどの自覚症状もほとんどないので、感染に気付かないことがあります。
*免疫はできず何度でも感染します。再発がしばしばあります。
治療薬例:
・製品名(Aldara5%:成分(イミキモド))
週に3日(例:月、水、金)で患部に塗布してください。(6~10時間は洗い流さない)
トリコモナス
特徴:トリコモナスは、トリコモナス原虫の感染によって発症する性感染症です。下着やタオルなどを介して感染することがあります。
人によってはイボが出来、放置すると幹部が広がりイボの数が増える事もあります。
・女性の場合、外陰部にかゆみや灼熱感があったり、おりものが増えたりします。
・男性の場合は排尿時に軽い痛みをともないますが、自覚症状がないのが殆どです。
軟膏の塗布や内服薬によって治療します。
感染してから症状が出るまで:1~3週間程度 治療期間:最低1~2週間
治療薬例:
・製品名(Aldara5%:成分(イミキモド))
週に3日(例:月、水、金)で患部に塗布してください。(6~10時間は洗い流さない)
カンジダ
▶カンジダ
特徴:カンジダは、体内にも存在するカンジダという真菌によって発症します。他の性感染症とは異なり、ストレスなどの体調の変化によって自然発症することがある病気です。
・男性は症状が出る事は少ない。
・女性の方が発症する確率が高く、外陰部が赤く腫れ、かゆみなどとおりものの増加の症状が出ます。
定期的なちつ洗浄や軟膏の塗布によって治療します。
中でも、膣に出来るカンジダを放置して炎症が酷くなると全身性カンジダ症を発症し、湿疹が広がっていくことがあります。
また、膣カンジダは慢性化すると完治が難しくなるため早めの投薬治療が必要です。
感染してから症状が出るまで:何年にも及ぶことがある 治療期間:最低1週間
治療薬例:
・製品名(Forcan-200mg:成分(フルコナゾール))
毛じらみ
▶毛じらみ
特徴:陰毛に限らず肛門周囲、腋毛、胸毛、すね毛など、さらにまつ毛や眉毛に至るまで感染します。
稀ではありますが頭髪にも感染します。症状は毛じらみへのアレルギー反応が関係しているようで、まったく痒みを感じない人もいるようです。
体毛を処理し薬の散布や専用のシャンプーで駆除します。自然治癒する事はありません。
痒みが酷いので放置し続ける事は困難だと思いますが、放置すると成虫が卵を産みますので、ケジラミが自然にいなくなることはありません。
また、ケジラミに噛まれ続けると皮膚に痕が残ることがあります。
感染してから症状が出るまで:不定(1~2ヵ月位が多い) 治療期間:2~3週間
雑菌性尿道炎
▶雑菌性尿道炎
特徴:汚れた手のまま性器に触れると、傷口から雑菌が体内に入って発症します。
淋病やクラミジア以外の細菌を原因として起きる尿道炎(性感染症)です。
・男性は排尿時に痛みをともないます。
・女性の場合、自覚症状が出ることはほとんどありません。
清潔にしておくことが、何よりも重要な予防法になります。
免疫により自然治癒する事もありますが、放置すると悪化する事もありますので、早めに治療をお勧めします。
感染してから症状が出るまで:1~10日程度 治療期間:最低1~2週間
治療薬例:
・製品名(AZEE1000:成分(アジシロマイシン))
AIDS
▶
特徴:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気です。
HIVに感染してAIDSが発症するまでは、健康保菌者(キャリアー)になるだけで、外観上は健康な状態と変わりません。
しかし、一度発症すると、急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢などの症状が続き、数年で死に至ることもあります。
感染初期はインフルエンザに似た症状が出て数週間で消えますが、5~10年の無症状の潜伏期間から免疫機能が徐々に弱くなっていきます。
放置し、適切な治療を行わなければ数年で死に至る事もあります。
感染してから症状が出るまで:3ヶ月~数年程度 治療期間:薬剤開発中
B型肝炎
▶
特徴:B型肝炎ウイルスの感染によって発症します。ワクチンによって予防できる性感染症です。
発病の初期は体がだるく、吐き気や頭痛、尿の色が濃くなるなどの症状が出ます。
全身に
感染してから症状が出るまで:1~6ヶ月程度 治療期間:2~3ヶ月程度